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Z世代対応、グローバル…Vtuberアプリ「IRIAM」が決済プラットフォームStripeと描く未来

 顧客体験の向上や事業成長のため、オンライン決済の導入を検討する企業も多いだろう。その際に成功の鍵を握ると言っても過言ではないのが、決済プラットフォームの選定だ。20代がボリュームゾーンの新感覚Vtuberアプリ「IRIAM(イリアム)」は「Stripe」を導入。カード決済以外の手段を望むユーザーの機会損失を防ぎ、安全な環境でのユーザーの推し活を実現している。IRIAMの増田真也氏とストライプジャパンの平賀充氏に、決済が顧客体験や事業成長に与える影響についてうかがった。

DL数は200万超、Z世代が集う新感覚Vtuberアプリ「IRIAM」

――まずは両社の事業内容をうかがえますか。

増田:私たちIRIAMは「心でつながる魔法をかける」をミッションに、新感覚Vtuberアプリ「IRIAM」を運営しています。

 「IRIAM」は、キャラクターモデリング等複雑な作業なく、1枚のイラストだけでいつでも・どこでも手軽にキャラクターになってライバー(配信者)としてライブ配信を行ったり、リスナー(視聴者)としてコミュニケーションを楽しむことができるサービスです。また、リスナーさんのコメントやギフトにより、スマートフォン越しながらもまるで隣にいるかのようなコミュニケーションが可能です。「IRIAM」は、キャラクターになることで一人ひとりが新たなつながりや可能性を感じられる体験を提供しています。

平賀:私たちStripeは、インターネット経済インフラプラットフォームとして、あらゆる規模のビジネスに対応する決済サービスを提供しています。

 「インターネットのGDPを成長させる」をミッションに掲げ、世界200ヶ国以上で135以上の現地通貨決済に対応しており、年間決済額は約120兆円(8,170億ドル)に上ります(2022年度)。さらに決済以外にも、請求書の作成・発行やサブスクリプションの開始運営、プラットフォーム事業などのオンラインビジネスの周辺業務を、ローコード/ノーコードで利用できるソリューションを提供しています。また、日本のビジネスに対応したソリューションを展開していることも強みです。たとえば日本人の約4割近くがオンラインで購入した物やサービスの代金をコンビニで支払っているとされています。そこでStripeはコンビニ決済に対応することで、全国3万4,000店を超えるコンビニでの支払いを可能にしました。またインボイス制度を始めとする日本の各種法令・法規のほか、PCI DSSなどのセキュリティ要件にも対応しています。

売上チャネル拡大のパートナーにStripeを選んだ5つの理由

――IRIAMはなぜ、Stripeを導入されたのでしょうか?

増田:事業成長にともなって売上チャネルを広げていきたいと考え、Webで決済できる機能を追加することを決定し、そのためのパートナーを探していました。複数の決済サービスを比較していく中で重視したのが、「決済手数料」「決済手段」「不正利用対策」「プロダクトのUI/UX」「グローバル対応」の5点です。

株式会社IRIAM 代表取締役 増田 真也氏
株式会社IRIAM 代表取締役 増田 真也氏

 まず「決済手数料」については、事業者としては当然安いほうが負担も少なくなります。続いて「決済手段」については、特にカード決済を補完する手段としてコンビニ決済に対応しているかを重視していました。「IRIAM」ユーザーのボリュームゾーンは20代で、クレジットカードの利用意向が高くない方々も多いためです。検討していたタイミングでStripeから日本市場向けにコンビニ決済機能をローンチするという話を伺い、Stripeの検討優先度がぐっと上がりました。

 「不正利用対策」に関しては、不正決済の仕組みを自社開発しているか、そしてプロダクトにインテグレーション(統合)されているかという点を重要視しました。各社不正決済のための3Dセキュア認証や各種アルゴリズムを用いた不正検知システムを用意していますが、その中でStripeは自社のグローバル決済データをもとに機械学習を用いて不正検知・スコアリングをする機能「Radar」があると聞き、非常に魅力を感じたのです。また、ダッシュボードに不正検知状況や、その後の対応手続きまでが統合されており、かつ追加の実装なしで利用できる点もメリットだと思いました。

 「プロダクトのUI/UX」は、まず何よりユーザーさんにとって使いやすい決済体験を提供できるかどうかを重視しました。「Stripe Payments」を使うとStripeの膨大な決済データを踏まえて改善を重ねた支払いフォームをはじめとした決済UIをそのまま利用できる点にまず惹かれました。今後決済手段を増やすことになっても、大きな改修の手間なく統合されたUIを提供できるのは魅力的だと思ったのです。

 また、日々利用するダッシュボードはもちろんですが、エンジニアフレンドリーなプロダクトの設計および開発ドキュメントの充実度合い、技術的な質問に対しても迅速に回答するカスタマーサポートなど、プロダクトの開発・保守・運用観点でのトータルな体験が磨き込まれていると感じました。

 最後のポイントである「グローバル展開」について。「IRIAM」は日本でのグロースに力を入れながらグローバル展開を見据えています。既にグローバルでの実績を豊富に持っているStripeの知見を借りられることも選定ポイントの1つでした。

 以上の点を鑑みながら、総合的に考えてStripeを導入することに決めました。

コンビニ決済の活用で若年層の機会損失を防ぐ

――具体的に、現在はStripeをどのように活用されていますか?

増田:「IRIAMおトクチャージ」という、リスナーさんが「ギフト」と呼ばれる配信を盛り上げたりライバーさんとコミュニケーションを図るアイテムを送るために使うサービスで、Stripeを活用しています。

――実際にStripeを導入して、効果のほどはいかがでしょうか?

増田:2022年9月に導入後、売上は順調に伸びています。2022年10月と2023年10月の売上比較では、約2.4倍の取扱高になっています。

 導入時の選定ポイントとなったコンビニ決済に関しては、「IRIAMおトクチャージ」の決済全体の約20%を占めています。若年層やカード利用を好まないユーザーさんにもご利用いただくことにつながり、ビジネスの機会損失も防げていると言えるでしょう。また、コンビニ決済はカード決済に比べて一度にまとまった購入をするユーザーさんが多く、1回あたりの平均決済金額がカード決済比で約2倍となっています。このことからも、カード決済を利用しないユーザーさんに向けた決済手段として機能していると考えています。

収益に大きな影響も、「何も起きない」の重要性

増田:加えて決済周りで「何も起こらない」が当たり前になっていることも、評価に値すると思います。開発からプロダクトローンチまではもちろん、ローンチして1年強経った現在でも決済領域に大きなトラブルはありません。

平賀:「何も起こらない」を評価していただけるのは非常に嬉しいですね。システムが定期メンテナンスや不具合で止まる時間は、日本では業界平均で1年間に15日分ほどと言われています。企業規模によっては、数億円単位で収益に影響を受けてしまうでしょう。

 Stripeはテクノロジーを活用することで、事業者様が安全かつ安定した状態で事業を展開できるようにしています。たとえばオーソリ成功率に関しても、不正利用対策を適用しつつも業界内トップ水準での高い成功率をグローバルで実現しています。

 また、Stripeでは1秒間に20,000以上の決済処理の API リクエストを99.999%処理するだけでなく、定期メンテナンス等の時間を年間合計約5分以下で維持するなど、事業者様が決済を止めることなく事業運営を継続できる環境を提供しています。

ストライプジャパン株式会社 代表取締役 平賀 充氏
ストライプジャパン株式会社 代表取締役 平賀 充氏

開発からローンチまで、手間なくスピーディーに

――2022年9月に導入されたとのことですが、検討から導入、運用までの流れをうかがえますか。

増田:一連のプロセスは2022年1月から始まり、2022年9月上旬にプロダクトローンチをしました。

 具体的には、Stripe含め国内外決済サービスを5社ほど比較し、比較検討から契約の締結までが約3ヵ月。決済フローを構築するためのコンポーネント「Stripe Elements」を利用したプロダクト開発に約4ヵ月、そしてテストや実際のローンチに向けた準備に約1ヵ月かけました。実際開発を始めてからは、スピーディーにスムーズに進められたと感じています。

――平賀様から見て、Stripeの活用や導入フローについて、特徴的だと感じる部分や他社でも取り入れられる点があれば教えてください。

平賀:基本的に事業規模やフェーズに関係なく、どのような事業者様もダッシュボードですぐに利用を開始できます。申込書の記入や提出が不要であるほか、見積もりや審査を待つ必要もありません。無料かつメールアドレスのみでテストが可能です。ノーコードツールやシンプルなSDKを提供しているため、決済にまつわる開発工数を最大限圧縮できます。

 また、製品連携を考慮したデザインのため、決済以外の請求書やサブスクリプションなどともスムーズに連携できるほか、料金体系の変更やサブスクリプションビジネスへの転換、マーケットプレイスやプラットフォーム化なども、システムのリプレイスなしで実現できます。

 Stripeにお任せいただくことで、事業者様はシステム開発や運用の負荷を軽減し、事業に専念することが可能です。企業を取り巻く環境が刻一刻と変化する中、システム開発や新規ビジネスの立ち上げに時間をかけることはできません。Stripeのソリューションは、事業者様が変化に対応するだけでなく、A/Bテストやスモールスタートをするための柔軟性を提供しています。

国内外で拡大するVtuber市場、ユーザーのインサイトは?

――「IRIAM」は20代を中心に若年層の方々に多く利用されているとうかがいましたが、インサイトをどうとらえていますか?

増田:ライバーさんについては「顔出ししたくないけど配信活動で人とコミュニケーションを取ってみたい」という方も多く、本格的な機材や配信環境を準備しなくとも、オリジナルなイラストを使って気軽に配信できる点を魅力に感じていただいています。

 一方リスナーさんについては、Vtuberやアニメ、ゲームなど2次元コンテンツに馴染みのある方が多く、20代がユーザー比率としては多いです。

 “推し活”という言葉があるように、応援しているライバーさんがいる人も多いのでしょう。実際に、ライバーさんは15万人を超えますが、母数としては圧倒的にリスナーさんが多いです。

――市場の動向はどうでしょうか?

増田:Vtuberや漫画、アニメといったコンテンツビジネスは今まさに活況にあり、様々な調査を見ても、今後まだまだ国内外問わず伸び続ける市場だと認識しています。

 私たちとしても先ほど申し上げた通り、グローバル展開を見据えています。となると、やはり決済は無視できない問題なのです。国による決済手段の違いだけではなく、グローバル市場でより重要度を増すであろう不正決済対策、税金関係の計上等、幅広い領域での適応が求められるでしょう。

 ビジネス戦略に注力する必要もあるタイミングで、決済面についてはStripeに任せられる部分が多いのではないかと考えています。

事業成長に欠かせない、ストレスのない決済体験を

――最後に、両社それぞれの今後の展望をお聞かせください。

増田:大きなポテンシャルを持ち、拡大を続ける市場で着実にサービスを拡大し、その先にしっかりと私たちが作りたい世界を届けていきたいと考えています。

 事業が大きくなるにつれ、対応しなければならないことやチャレンジしたいことも増えていくことでしょう。ストライプジャパン様からは、そのような希望をどんどん伝えてほしいと言っていただいているので、私たちとしてもお互いに良い協力関係を築きながら取り組んでいきたいと思います。

平賀:Stripeとしては引き続き「IRIAM」のユーザー様にストレスのない決済体験を提供すると同時に、IRIAM様ひいてはDeNAグループ様の国内外の事業成長パートナーとして、サービスの利便性向上や収益増加に貢献していきたいと考えています。

 そして、これからもスタートアップ様から大手企業様まで、事業規模やフェーズに関係なく、ありとあらゆるビジネスモデルの決済体験を向上させていきます。

「オンライン決済」をより詳しく知りたいと思った方へ

誰もが知っておきたい決済の基礎と、代表的なビジネス別(オンライン小売/SaaS・サブスク/プラットフォーム・マーケットプレイス)の要点をまとめた資料「オンライン決済の基本ガイド」では、顧客が求める決済手段や、コンバージョンを高めるためのヒントをご紹介しています。Stripeのサイトからダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ストライプジャパン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/19 10:00 https://markezine.jp/article/detail/44202