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MarkeZine Day 2024 Spring

業種業界を問わず、みんな立ち返ることができる「マーケティングの基本」/ブランディングとお金の話も

 競合のマーケティング事例は日々共有されているが、実は「マーケティングの考え方」は共有できていない、という企業は多いのではないでしょうか。担当している業務内容やレイヤーが何であれ、マーケターとしてマーケティングを考える上で誰もが立ち返ることのできる基本的かつ本質的な考え方を、音部大輔さんと髙口裕之さんに教えていただきました。

基本的な概念こそ、組織での共有が重要

髙口:このセッションでは、ブランディングの基本のキに立ち返ることでその本質を捉えていこうと思います。

音部:基本的な概念こそ、組織で考え方を統一することが重要ですよね。それが組織の成長を加速させることに繋がります。

 各々の経験値を共有できる構造が組織に備わっていれば、たとえば10人のメンバーがいる組織には10人分の経験値が共有されます。年単位で考えると、その組織は10年分の経験値を得られることになるわけです。そうした共有のはじめの一歩が「共通言語」です。

株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔氏
株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔氏

 今日お話しするブランドについても、10人が10通りの考え方をしているようでは経験値の共有はうまくいきません。まずは定義や考え方を統一する必要があると思います。

髙口:そこでなのですが、みなさんは「ブランド」の語源をご存知ですか? これには諸説ありますが、牛に入れる焼き印=Burned(バーンド)がブランドの語源だと言われています。同じように見える何百頭の牛を区別し、誰が所有している牛なのか、乳牛なのか肉用牛なのかなどの「意味」を「認識」するために、当時焼き印が使われていたんですね。

 では、マーケティングにおける「ブランド」の定義や概念を見ていきましょう。

株式会社はなまる 企画本部 チーフマーケティングオフィサー(CMO) 髙口裕之氏
株式会社はなまる 企画本部 チーフマーケティングオフィサー(CMO) 髙口裕之氏

マーケティング概念の整理:What=モノではない

音部:ブランドやマーケティング、4Pなど皆さんが日頃使われている言葉の概念を整理すると、このような構造になるのではと考えています。

 まず「ブランド」という言葉自体は名詞ですから、そこには「意味」が発生します。この「意味」は、消費者にとってのベネフィットに立脚していることが望ましいです。

 ただ、あくまでブランドは「概念」ですから、これをこのまま消費者に提供することはできません。つまり、概念を具現化する手段として、モノ(Product)や価格(Price)、Place(流通チャネル)、販促活動(Promotion)がある、と考えます。4Pを使って、見たり触れたり、口に入れたりして総合的に意味を感じてもらうのです。逆に、ProductやPromotionをこれ単体で考えようとすると、「誰にどんな意味を提供するのか」の概念が抜け落ちるので、良否が判断できません。

 皆さんが普段の業務で担当しているのはこのうちの一部分だけかもしれませんが、このような全体像を把握した上で、自分が担っている役割を把握して仕事をできるとよいですよね。キャリアの進展を考えても、それは有意義なことだと思います。

髙口:このチャートはとても参考になりますね。コトラー先生の言葉を借りると、人は良いモノを買うのではなく、良いと思ったモノを買います。消費者は、一度「良い」と認識すると、そう思い続け、それを選択する傾向にあります。場合によっては、色メガネで見てそれを「良い」と思おうとするほどです。消費者は「意味(What)」を買っているのだと、私は理解しています。

音部:自分たちがモノを開発し、製造し、売りつつ、消費者もモノを買っているのだと眺めれば、モノ=Whatだという誤解につながります。消費者が買っているのは「ベネフィット」だと理解せず、モノを売ろうとすると、実態と乖離が出てきてしまいます。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45235

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