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広告/マーケティングにおける7つの転換点~『2030年の広告ビジネス』番外編

ID取得型マーケティングの限界【広告/マーケティングにおける7つの転換点】

 昨年、『2030年の広告ビジネス』を上梓した横山隆治氏が筆を執り、新連載を開始。同書に書ききれなかった内容を、全7回にわたってお届けする。第五回は「ID取得型マーケティングの限界」について言及する。

第四回:フリークエンシー理論の破綻はこちら!

1to1マーケティングの実現が可能になった今、見えてきた新たな課題

 本連載を通して、「ファネル構造モデルの破綻」「カスタマージャーニーモデルの破綻」「USP思考の限界」「フリークエンシー理論の破綻」について触れてきました。第五回は、一人のヒトを特定してマーケティングする、つまり「ID取得型のマーケティング」について言及します。特にサードパーティ型IDのことを言っています。

 1to1マーケティングが提唱されはじめた当初は、実際に1to1を実現することは技術的に難しい状況にありました。当時は実現すれば、ある意味これが究極のマーケティング手法ともてはやされたものです。

 そこから時が経ち、今日ではマススケールでの1to1が実現できるようになりました。IDによってひとりひとりを特定できる現在において、1to1が究極のマーケティング手法になったかというと、残念ながらそうではありません。なぜかというと、“ヒト”で括っても、同じヒトがカメレオン化してしまうからです。十人十色は一人十色にも二十色にもなるのです。苦労して一人を突き詰めても、人は気まぐれで意識も行動パターンも変わってしまうので、ヒトで括る意味がなくなってしまうのです。

SNSでの購買行動に影響する4つの要因

 それぞれの購買影響要因が同じ人でも、対象ブランドのカテゴリーや価格帯で変わってしまう。この事実を確認できたのは、トレンダーズの「インフルエンスファクター」を利用したときでした。

出典:トレンダーズ
出典:トレンダーズ

 上記の図はSNSでの購買行動において、影響する要因を4つに分類したものです。縦軸に「ヒト」と「モノ」、横軸に「ソサイエティ」と「パーソナリティ」を置いています。

 4象限の左上(ヒト×ソサイエティ型)は「Audience」、つまり「いろいろな人が良いと言っている」ということが一番購買行動に影響する要因となります。右上(ヒト×パーソナリティ型)は「Trust」、つまり「好きな人が良いと言っている」が一番購買行動に影響する要因となります。そして左下(モノ×ソサイエティ型)の「Knowledge」では、「他と比べて良いものだとわかる」ことが一番購買行動に影響します。これは昔からあるファネル理論での「関心」から「比較検討」を購買に寄って行くのと近いでしょう。

 4つめは、従来あまり定義されていなかった購買影響要因ですが、左下(モノ×パーソナリティ型)の「Discovery」、つまり「好きなモノに出会えた!」という購買影響要因です。

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同一人物でも、購買影響要因は変わる

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役ベストインクラスプロデューサーズ 取締役トレンダーズ 社外取締役1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門会社「デジタ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45371

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