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オリエンは口頭でもOK?TikTokアワード2部門受賞のワンメディアに聞く“余白”の重要性

 広告の目的やクリエイティブの要件を伝える「オリエンテーション」。広告代理店や制作会社などのパートナーと連携する上で欠かせないものだが、課題を感じているマーケターも多いのではないだろうか。本記事では、広告賞「TikTok for Business Japan Awards 2024 Creative Category」で2部門受賞、6作品がノミネートされるなどショート動画に関する実績を持ち、あらゆる広告主からオリエンテーションを受けているワンメディアの余頃氏、近藤氏、香川氏の3名にインタビュ―。TikTokをはじめとしたショート動画施策におけるオリエンテーションでよくある課題、上手く要件を伝えるための秘訣について聞いた。

「正解がない」オリエンテーションが抱える課題

――まず、現状のオリエンテーションにおいて、広告主が抱える課題を教えてください。

余頃:オリエンテーションの課題は、正解が言語化されておらず、会社によって方法も異なるところだと思っています。

 ワンメディアでは、様々なお客様からオリエンテーションを受けておりますが、資料に細かく要件をまとめて説明するケースもあって、会社やご担当者によって手法はバラバラなんです。

 2023年に弊社が取り組んだ案件のオリエンテーションを調べたところ、約半数が資料のない口頭のみでのオリエンテーションでした。どちらが正解というわけでなく、広告主側も「どのようなオリエンをすれば良いかわからない」というのが現状であり課題です。

ワンメディア株式会社 取締役/ビジネスプロデューサー 余頃 沙貴氏
ワンメディア株式会社 取締役/ビジネスプロデューサー 余頃 沙貴氏

近藤:クリエイターの立場からすると、実は「口頭のみ」のオリエンテーションでも問題ないんです。

 一方で難しいのが、オリエンテーションの内容に忠実になりすぎた結果、お客様がもともと持っていたイメージと異なってしまうケースです。オリエンテーションでお話しする内容の多くは「会社として説明しておかないといけないこと」で、その先に「本当はこうしたい」という理想を担当者の方が持っていたりするんです。

 私はオリエンテーションに書ききれない理想をヒアリング段階で引き出しつつ、そこで得られた情報を加味したクリエイティブを提案するようにしています。

香川:この「裏側にある理想」は「余白」とも言えますね。オリエンテーションを受けていて、広告主が企画に求めている期待値とオリエンテーションの内容が合致していないところに課題を感じています。オリエンテーションの内容通りではなくそれを超えるものを作ってほしいと担当の方は考えていることが多いので、その期待値を超える要素は何か、その余白の部分を口頭でうかがうようにしています。

 この課題は、ショート動画のようなデジタル施策だからこそ起きやすいと思っています。テレビCMと比較すると、デジタル施策はまだ新しいクリエイティブの分野で型が少なく、流行の移り変わりも早く、できることに無限の可能性があります。そのため、オリエンテーションの裏にある余白にこそ、クリエイティブのヒントがあると考えています。

オリエンの余白にこそヒントがある

――ワンメディアには動画制作会社というイメージがあり、「広告代理店経由の案件も多いのでは?」と思っていたのですが、直接広告主とやり取りすることが多いのでしょうか。

香川:意外に思われるかもしれないですが、ワンメディアは制作だけではなく企画や配信も支援しています。そのため、クライアント様と直接行うプロジェクトのほうが多いんです。直接のお取引は9割を超えています。まだ新しい「ショート動画」という分野だからこそ、クライアント様と対話を重ねながら企画や動画を作ることが重要だと考えています。

良いオリエンには現状、ゴール、向かうベクトルの3つがある

――では、ワンメディアの考える良いオリエンテーションはどのようなものか教えてください。

余頃:良いオリエンテーションとは何かを考えるために、私たちはこれまで制作させていただいたプロジェクトの中から、良い成果の得られたクリエイティブのオリエンテーションをまとめ、分析をしました。

 その結果、良いオリエンテーションは3つの要素がまとまっていました。

 1つ目は、これまでブランドとしてどのようなコミュニケーションを行ってきたのか、その結果どのような課題が出てきたのかといった「現状」です。

 2つ目は今回の取り組みにおける「ゴールや理想」です。今回企画・制作するクリエイティブでユーザーとどのような関係構築を目指すかがまとまっていると、施策の方向性が定まりやすいです。

 3つ目は、「現状から理想へのベクトル」です。これが特に重要で、ここがまとまっているとより精度の高いアイデアを提案できると考えています。

 オリエンテーションのとき、ターゲットや媒体、予算など細かくまとめてくださる企業様もいらっしゃいますが、それらの要素は後からでも調整できるので、それよりも先述の3つの要素を固めることがオリエンテーションでは重要だと考えます。

――3つ目の「現状から理想へのベクトル」をまとめるのが少し難しいのではと思ったのですが、コツはありますか。

近藤:コミュニケーションのベクトルを考える際におすすめなのが、企業やブランドが「どういう存在になりたいか?」を考えることです。たとえば、友達のような存在になりたいのであれば、ユーザーと距離の近いコミュニケーションが行いやすいTikTokを活用するなど、アウトプットも自ずと決まってきます。

どういう存在になりたいかを考える

 たとえば「TikTok for Business Japan Awards 2024 Creative Category」で「Creator Collaboration部門」の部門賞を受賞した、アース製薬様の『恋するモンダミン』では、クラスの同級生たちと一緒に歌いたくなるような楽曲とコミュニケーションを目指しました。そんなユーザーの「歌ってみたい」気持ちの受け皿になれるように、TikTok上で「#歌ってみた」企画を行ったり、渋谷・センター街でのイベントを実施したりして、ユーザーとブランドの間の距離が近づく仕掛けを盛り込みました。

 「思っていた企画と違った」という齟齬をなくす上で、「どういう存在でありたいか/どう見られたいか」を考えるのは大切です。

口頭オリエンもOK!動画ブランディングのご相談お待ちしております

 記入できる「オリエンシート」のテンプレートも無料配布中です。ダウンロードはこちらのサイトから。

<TikTok Studio by ONE MEDIAについて>

 TikTokマーケティングに特化したTikTok for Business公認のクリエイティブスタジオです。私たちと「初めてのTikTokプロモーション」にチャレンジした企業・ブランドのうち、70%超がお取り組みを継続いただいております。「TikTok for Business Japan Awards 2024 Creative Category」において2部門受賞、6作品がノミネート。

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オリエンテーションでありがちな3つの誤解とは?

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ワンメディア株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 10:30 https://markezine.jp/article/detail/45354

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