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『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

苦境から回復、さらには飛躍を目指して。「お客様の実感価値」の解像度を上げるJTBのマーケティング

 コロナ禍でピンチに陥った企業は多数だが、中でも旅行業界が受けた打撃は過去に類を見ないものだった。しかし、苦境の中で見出したものもあったようだ。「交流創造事業」を展開するJTBのCMO風口悦子氏に、回復からさらなる飛躍を目指す同社の改革の現状についてマーケティングの観点から話を聞いた。

本記事は、2024年4月刊行の『MarkeZine』(雑誌)100号に掲載しているものです。

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

「競争」から「共創」へ 日本マーケティング協会の新定義が示す、これからのマーケティングのあり方
5つの柱でお客様の期待を超える マーケティングとイノベーションを実現する
1年で大きく進化し「生活者に近づいた」味の素のマーケティング 新組織設置の狙いとその成果を聞く
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目指すは「シェアNo.1」ではなく「唯一無二」、花王がマーケティング戦略を変えた背景
「良いコンテンツを作れば自然と広がる仕組み」を目指して──「ABEMA」の経営とマーケティング
─ 苦境から回復、さらには飛躍を目指して。「お客様の実感価値」の解像度を上げるJTBのマーケティング(本記事)
生活者インサイトを捉えて新たな文化・市場を創造する 資生堂においてマーケティングが果たす役割
セブン-イレブン・ジャパンがマーケティング本部を新設 加盟店も含めた全社の“ハブ”を目指して
「ファッションの『こと』ならZOZO」というイメージ醸成を目指す、ZOZOの戦略と取り組み
常識破りの戦略で圧倒的な成長を。「KANDO(感動)ドリブン」で駆け上がっていくトリドールの構想

コロナ不況の中で掲げた「『新』交流創造ビジョン」

──はじめに、JTBが中期経営計画で掲げている「『新』交流創造ビジョン」について教えてください。

 皆さんの記憶にも新しいと思いますが、私たちは2020年以降のコロナ禍において生活から産業までありとあらゆる場面で大きな変化を強いられました。中でも、“移動”が制限された旅行業界が受けた影響は大きく、当時JTBはビジネスの7割以上を一気に失ったほどです。本当に大変な試練のときでした。

風口悦子(かざぐち・えつこ)株式会社JTB執行役員 ブランディング・マーケティング・広報担当(CMO)2023年9月より株式会社JTBに入社、ブランディング・マーケティング担当執行役員に着任し、ツーリズム事業に加えてBtoB領域のマーケティング強化やグローバルブランドの強化を推進する。前職の日本IBM株式会社では、執行役員CMOをはじめパフォーマンス・マーケティング、クラウド・AI担当などマーケティングの要職を歴任。システムズエンジニアや営業職の経歴も持つ。
株式会社JTB執行役員 ブランディング・マーケティング・広報担当(CMO)
風口悦子(かざぐち・えつこ)氏

2023年9月より株式会社JTBに入社、ブランディング・マーケティング担当執行役員に着任し、ツーリズム事業に加えてBtoB領域のマーケティング強化やグローバルブランドの強化を推進する。前職の日本IBM株式会社では、執行役員CMOをはじめパフォーマンス・マーケティング、クラウド・AI担当などマーケティングの要職を歴任。システムズエンジニアや営業職の経歴も持つ。

 そのような逆境の期間に、私たちは「自分たちが創造できる価値」について、今一度立ち返って考えることになります。社員も含めてディスカッションをする中で、改めて定義したのが「交流」を軸にした価値です。

 旅に限らず、人・物・情報などが動くところには何かしらの交流があり、そこではいろいろな感動や共感が生まれます。価値観の変化を敏感に感じ取り、「“交流”を創造していく企業でありたい」という志をもって、「『新』交流創造ビジョン」を掲げました。また、ビジョンを実現するためにブランド・プロミスも改定し、事業とブランドの両軸で35年ぶりにリブランディングを実施しています。

──「『新』交流創造ビジョン」は、今どのようなフェーズにありますか?

 「『新』交流創造ビジョン」では、2020〜2021年度を「構造改革期」、2022~2024年度を「回復〜成長期」、2028年度までを「成長〜飛躍期」としています。今年度は、回復〜成長期の締めくくりの年であり、さらなる飛躍に向けての土台をしっかり固めるときです。

 事業構造を根底から改革した後、戦略的に投資し伸ばしていくべき領域について議論を重ねてきました。私たちの強みである“旅”を基軸に、旅行者・地域・法人をつなげていくことで新しい交流を生み出していく姿を明確にするため3つの事業領域を新たに定めました。

JTB交流創造事業の全体像

  1. ツーリズム事業:旅行に加え旅行体験の向上につながる情報やコンテンツを提供し、旅行者の満足・課題解決を図る。
  2. エリアソリューション事業:地域(行政・観光事業者)を対象に、各地域の持続的な発展に貢献。その地域における旅ナカコンテンツの拡充や、観光地のデジタル化、整備・運営支援を行う。
  3. ビジネスソリューション事業:MICE(ビジネスイベント)、人材研修、BTM(ビジネス・トラベル・マネジメント)などを通して企業課題の解決に貢献する。

──交流創造事業において、既に新しい取り組みは出てきていますか?

 数々の取り組みがあります。たとえば、今年1月には、アサヒビール様と共同で訪日外国人向けの共創プロジェクトを始動しました。日本ならではの夜の娯楽やサービスを体験できるツアーや、非日常を感じられる上質なナイトタイムエコノミーコンテンツの開発に両社で取り組み、地域社会への経済効果や文化的価値向上への貢献も目指していくプロジェクトです。

 他にも、JTBグループ内外との共創による事業展開を加速し、観光地の高付加価値化を実現するエリア開発や、企業版ふるさと納税を活用したまちづくり、脱炭素分野における共同開発や食品ロス削減の共創プロジェクトなども推進しています。

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交流から生まれる感動・共感に「JTBの価値」を載せて発信

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 14:14 https://markezine.jp/article/detail/45409

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